愛は要らないから…
第6章 叶わぬ恋
俺は耳を疑った
帰ってくる
誰が
静也が?
ここに…日本に……
「しずから聞いてなかったの?」
俺は首を横に振った
聞くどころか
連絡すらとれなかったし、それでもメールを送る事も少し前に辞めてた
だから完全に知らなかった
「遅めの夏休みで一時帰国なんだけどね
帰ってくるんだよ
私てっきりその事の話で来てくれたんだと思ってたんだけど…」
「いや…本当に偶然……」
「そっか…でも、良かったじゃん!本人には言えないけど会えるの楽しみだし
秋くんもまた会って遊んだり、うちにも泊まりに来てよ!」
また会う…
静也と…
いいのかな?
そりゃ会いたいけど
好きって言われたままだけど!
だけど…
別れたんだ
日本に帰ってきても会えるチャンスがあっても
会っていいものなのか分からなくなってくる
今日で区切りをつけるつもりが
逆にモヤモヤしていく…
「秋くん…?顔色変だよ?」
「ごめ…ちょっと驚きすぎて…はは…」