愛は要らないから…
第6章 叶わぬ恋
俺が帰ろうと思ったのは
少し子供達がいなくなった頃
まだほんの2、3人居るくらいだったけど
その子達ももうそろそろ帰ろうとはしていた
他に誰か取り残されたりしてないか周りを見渡すと
一瞬背の高い人影が見えてそして消えた
その人を見たすぐそばには時計塔が…
俺が見た瞬間隠れた?
俺はそいつを凄く怪しいと感じた
人があまりいない時間を利用して子供を誘拐とか?
全然あり得る
ニュースでも女子中学生誘拐して…とか見たことあるし
…………よし…
俺は意を決して
恐る恐るベンチから立ち上がって近付いてみる
子供でも女でも無いけど
いざとなると怖くて知らぬ間に手に力が入る
「あのー…どうかしましたか?」
奴の前には出ず、ある程度の距離まで近づくと
あくまでも誘拐犯と思わず普通の人として話しかけた
「あー…ちょっとお腹が痛くて…
でも、大丈夫なんで気にしないでください」
そんな台詞更に怪しいだろ!
しかも、声とゆうか話し方が変
絶対声色変えてる……
相手が攻撃的な出方をしなかった為
俺は強引な作戦に出た
俺はゆっくりと足音をたてずに時計塔に近付き
そのまま回り込むと腕をつかんで顔を見る間も無く引っ張って
とりあえず歩いていく
「お腹大丈夫ですか?ベンチで休みます?
それとも公衆トイレ案内しましょうか?」
これで一応は子供とは離してあげられる