愛は要らないから…
第8章 堕落
「………ん……」
気だるげに、もぞりと動くと
布の擦れた音がする
そして隣には人の温もりが――――
「はっ…!」
俺は勢いよく起き上がると
真横には目の前に大和の顔があった
「どうした?」
「あ…いや……」
しちゃった…
つか、十代だから当たり前だけど
完全シラフなのに止められなかったし、止めようとも思ってなかった
今更だからこそ後悔するもんだけど…本当に……
「…ごめん……」
大きくはぁ、とため息をついたあと
俺は謝った
「ふはっ…なんで」
「だって、約束したのに……
それも俺からしないって言ったのに…」
「別に、他の人とヤられるよりはましだし
そんなのお前が勝手に言っただけだろ?」
そう言うと大和は俺を抱き寄せて
頭を撫でた
大和…
「ご飯食べよ?お惣菜今日までだから」
「…ふっ…あっははは、うん。」
きっともう思い詰めないために
そう言ってくれたのかもしれない…
この状況でいきなりそんな提案を振られるのが
少しおかしくってお陰で笑えた
リビングに行こうと誘われて
立ち上がると、いつの間にか大和の服を着せられているのにやっと気づいた
その姿を見てまた、クスリと俺は笑った
「ありがとう…」
俺は先にリビングに向かった大和に聞こえないように呟いた