テキストサイズ

レット・ミー・ダウン【ARS・NL】

第6章 クリームシチュー【智】

智「あー、寒い寒い!」

智はブルゾンの襟を立てて、体を震わせて帰ってきた。

大寒気が東京にやってきた夜の冷え込みは予想以上に強くて、普段のブルゾンでは間に合わなかったようだ。

智の手を握ってみると、氷のように冷え切っている。

◯「ほんと、冷たい!」

智「だろ?」

私は、智を抱き寄せた。

身体中冷え切っている。

智「◯◯、あったけー。」

智は小柄で、私の腕の中にすっぽりとおさまった。

しばらくそうして暖まってから、夕食の準備をした。

今日の夕食はクリームシチュー。

はふはふ言いながら温かいシチューを食べる智がかわいくて、私はじっとながめていた。

お腹がいっぱいになると、智はすぐに寝てしまう。

◯「智、お風呂入って。」

智「うーん、寝みぃ。」

ソファでうたた寝する智を抱き起こした。

智は軽いから、私の力でも抱き起こせる。

智は眠い眠いとぶつぶつ文句を言いながら、風呂に向かった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ