愛のカタチ
第1章 ON~社会人×大学生~交わる心編~
智「和、ありがと…」
熱くなった身体に汗を滲ませ俺を抱き締める。
和「ん…」
男とこんなのした事無いから、大野さんをイカせた俺は息があがってたんだ。
智「水、飲もうか」
和「うん」
すぐ戻って来るからと俺に毛布を纏わせ、大野さんは水を取りに行った。
だけど部屋を出る時、少し笑ってたんだ。
クスクスと、俺をちらっと見て笑ってた。
智「はい」
和「ありがと…」
智「ん、ふふっ」
ほらまた。
和「ね、さっきからなんなの?」
智「え?」
和「ずっと笑ってんじゃん」
智「そうか?(笑)」
笑ってんじゃん、どう見ても。
智「いや、和は可愛いなぁと」
和「…ほんと?」
智「本当だよ?(笑)」
なんか違う気がするんだけど。
和「…絶対違うじゃん!」
智「ええ(笑)」
和「なによ、教えてよ!」
智「ふふっ、まだお前には早いよ(笑)」
和「はあっ!?」
いい子だから怒んないでと、俺をぽんぽんするんだ。
和「子供扱いすんなよっ」
智「まだ子供だよ」
和「どこがっ」
ニヤニヤと怪しい笑みを浮かべながら俺を見るんだ。
智「まあそれは、おいおいね」
和「ええ?」
なんか誤魔化されてるな。
智「お前が大人になるの待ってるから」
和「へ?」
智「だから焦るなよ?」
和「なにを」
焦る?俺が?
智「今言ったら、きっとお前無理しちゃうから」
和「だから何を…」
頭を悩ませる俺に答えをくれないんだ。
だけどその変わりにふんわりとしたキスをくれる。
智「俺は、今のままで十分だよ」
和「へ」
智「お前が気付くの、楽しみにしてるよ(笑)」
和「はい…?」
まだクスクスと笑いやがる。
この人にこんなに笑われたの初めてかもしれない。
智「まあそん時は、覚悟しとけ…」
和「ん、おおのさ…」
よく分からないけど、俺が気付くまで待ってると言うし。
そんな事を言いながらくれるキスは熱いし。
その熱さに被せて笑ってるし。
きっと悪い話では無いんだろう。
ただ、覚悟しとけと言う言葉だけは気になるけど。
でもま、この人の腕の中はあったかいし。
取り敢えず今日は、心置き無くくっついて寝ようかな。
ON~社会人×大学生~交わる心編~完~