愛のカタチ
第3章 ON~カウンセラー×生徒~カモフラージュ編~
和「ちょ...、俺まだ卒業してない」
智「俺もまだ2週間あるしね」
和「だ、だったら駄目じゃん」
智「そうだけど…」
俺の頬を包んだ先生は、もうすぐで俺の唇に触れそうだった。
お互いの鼻先が触れて、そんな至近距離で話をする。
和「まだ、しちゃ駄目なんでしょ? 恋...」
さっきまで怒ってたのに、俺はもうドキドキしてて。
先生はきっと俺を見てるけど、俺は目も合わせられない。
智「だけど、我慢は身体に悪いんだ」
和「え?」
智「...もう無理だな」
低く、掠れた声で呟いた。
和「ん...、せん、せ」
智「そんな顔するからだよ。...我慢なんて、出来る訳ない...」
柔らかく俺の唇を包んだかと思えば先生は顔を傾けて、唇の隙間から熱い息を吐いて、俺の舌を捕まえた。
和「ふ、ぁ...」
智「はぁ... やべえな、抱きたい…」
俺を愛しそうに包みながら、そんな事を言うんだ。
和「っ、そんな事しなくても、楽しくなれるって」
智「まぁ、そうだけど…」
困った顔をする先生はなんだか可愛くて。
智「只のSEXじゃないよ? 俺が言ってるの」
和「え?」
智「...抱きたいんだよ。お前を、愛したいの」
和「...っ」
だから、急にそういう事を言うなってば。
心臓が止まるかと思っただろ。
智「...ふふっ、楽しいだろ?」
和「あ...? からかったの?」
俺の心臓は跳ねて、顔も真っ赤でなんなら耳まで赤い筈だ。
智「いや、別に?」
涼しそうな顔をして、ニヤニヤと笑って。
和「もぅっ、なんだよっ」
智「でも、本当だよ?」
和「何がだよ」
智「お前を愛したくて仕方ない」
和「え...」
柔らかくて、甘くて。
智「早く月末になんねぇかな…」
たまに大人の空気を纏う。
その声はとても心地よくて、俺の全てを痺れさせる。
智「さ、戻るか」
くるっと振り向いて俺に手を差し出す笑顔はふんわりとして。
それだけで俺は擽ったくなったんだ。
纏う柔らかさと、たまに剥がれるそのカモフラージュ。
なんだかそれだけで、俺の鼓動は高鳴るみたいだ。
ON~カウンセラー×生徒~カモフラージュ編~完