愛のカタチ
第1章 ON~社会人×大学生~交わる心編~
和「…俺も、する」
なんだか恥ずかしくて、思い切って大野さんを押し倒した。
智「和?」
和「じっとしてて」
智「え、ちょ…」
パンパンじゃん。
それなのにこの人は。
少しの焦りも見せないで、呆気なくイッた俺をぎゅっと抱き締めててくれたんだ。
和「俺だけじゃ駄目じゃん」
大野さんの口内でイッた俺は恥ずかしくて。
浅い息だけを漏らして黙り込んだ。
その俺を、只黙って抱き締めてくれた。
背を撫でて、頭をぽんぽんと撫でながら、俺が落ち着くまで待ってくれたんだ。
和「このままじゃ、終われないでしょ…」
智「和…」
さっきしてもらった様に。
さっき俺が受けた様に。
智「あ… 和、俺は」
俺は大丈夫だからとでも言うつもりか。
そうは言わせない。
智「…っ、か、和」
俺の頭を掴んで引き離そうとする。
和「大人しくしてよ」
俺だけじゃ駄目だろ。
男同志がどう愛し合ってるのかなんて知らないけど。
和「おおのさんもイッてよ…」
だけど俺だけじゃ駄目なんだ。
そんなの当たり前に駄目なんだ。
智「ふふ、分かったよ…」
和「…なんで笑うの」
智「ん? いや、別に」
俺のやり方がヘタなのか?
智「じゃあ、お願いします」
和「うん」
あの笑いはなんだか腑に落ちないけど。
だけど俺もこの人を気持ち良くさせるんだ。
和「ね、気持ちいい…?」
智「ん…、凄く、気持ちいいよ…」
それは嘘を付いてなさそうだ。
細めた目で、一生懸命愛撫する俺を見てる。
智「っ、はぁ…」
その漏れた吐息で感じる。
智「和…」
その歪んだ眉でわかるよ。
智「お前になら、何されても気持ちいいな…」
喜んでくれてるって事。
その力の抜けた様な、柔らかい声を出してくれるだけで、俺は幸せなんだ。