愛のカタチ
第2章 NO~サラリーマン×花屋~天使みつけた編~
なんだあれ。妖精か。
色とりどりの花の奥からちらちらと見える光。
目を凝らして見れば、その淡い光の中に眩しい笑顔が見える。
違うわ。天使だ。
まるで羽根でも付いているかの様に軽やかに舞うソイツは、まるで天使だ。
近所の小さな花屋。
いつもならチラッと見る事すらせずに通り過ぎた。
だけど今日は、うっかりと足を止めてしまったんだ。
だって天使を見つけたから。
和「いやいやそんな馬鹿な」
でもすぐに我に返る。
だって俺は大人だし。
天使とか、非現実的すぎる。
和「眩しいな...」
だけど花から花へと移動するその淡い光は眩しくて。
和「やっぱ天使なのかな...」
今にもふわっと浮かび上がりそうだった。
和「いや、駄目だ。疲れてるわ」
頭をぶんぶんと振り、頬をぺチッと叩いた。
そうして花屋を見たら、もうそこには天使の姿は無かったんだ。
和「ああ、良かった。やっぱ幻か」
いや良くねえな。
朝っぱらから幻見るとか、ちょっと精神的にヤバい。
和「はぁ、会社いこ...」
平々凡々な毎日に飽き飽きしてた。
何か生活が一変する様な、面白い出来事が起こればいいのにと思っていた。
その願いが天に届かねえかなとか、昨晩思いながら寝たんだ。
だからそんな幻を見たんだきっと。