愛のカタチ
第2章 NO~サラリーマン×花屋~天使みつけた編~
...やっぱいるな。
帰りにもう1度その店の前で立ち止まった。
少し中を覗くと、やっぱりそこに天使は居たんだ。
俺はとうとう精神崩壊したか。
それとも現実逃避が見せた能の錯覚か。
和「...なんだ。人間じゃん」
綺麗にラッピングした花を、ニコニコと笑いながら男に渡していた。
良く出来てるねと男に頭を撫でられ恥ずかしそうに笑う姿は、只の恋する少女だった。
和「しかも男いるのかよ」
天使は恋なんてしない。
だって天使は神聖なのだから。
和「はあ...」
実のところ、人間だったらいいのになと思った。
人間だったら、あの可愛い天使と恋をしてみたいな、なんて少しだけ思ったんだ。
和「くっそ...」
やっぱ俺は平凡が似合ってるのか。
そんな素敵な出来事なんて俺の元にはやって来ないんだ。
和「ラブラブじゃねえか」
天使は客を装った男と一緒に帰ったんだ。
俺の天使は、男に肩を抱かれて暗闇へと消えて行った。
和「弁当買って帰ろ...」
俺にはコレがお似合いなんだ。
そんなにデカくもない会社で毎日こき使われて、ぐったりと疲れた身体を癒してくれる天使も居なくて。
夕日も浴びれず暗闇を彷徨い弁当を買いに行く。
チンして貰ってお箸は1膳。
それを速攻で家に帰って食べるんだ。
テレビを見てもそんなに楽しく無いし、出てくる独り言は愚痴ばっかりだ。
そんな俺の元に、天使なんてやって来る訳が無いんだ。