天然執事はいかがです?
第3章 新任の執事
「お父さんはあとどれくらいで帰ってくるのだったかしら?」
「約3ヶ月でございます」
爺やは表情を変えずに述べた。
「あら、そんなに?明後日くらいには帰ってくると思っていたわ」
母さん、それはあり得ないから!!
私の予想が当たったのはいいとして、3ヶ月か……
アルトさんと上手くやれるかな……
今度から目覚ましに囲まれながら寝ようかな…
想像してみるととてつもなく変な画ヅラだった。
私何してんの…?みたいな……目覚ましに囲まれるって……
爺やじゃないと、私は昔から起きれなかった。
いや、まぁ結局起きれないんだけどさ。
チラッとアルトさんの方を見ると、目が合った。
「3ヶ月の間、よろしくお願いします。菜月お嬢様」
ニッコリと微笑むアルトさんに私は苦笑いしかできなかった。
「は、いぃぃ……」
私は左の頬が引きつくのが、嫌なくらい分かった。
3ヶ月はまだまだ長い――……
だってまだ始まったばかりだもの。