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天然執事はいかがです?

第4章 意識の相違




そんなお嬢様に俺はお弁当を作った。

料理は昔からやっているので、喜んでもらえたらな……と俺は作りながら思った。



菜月お嬢様のことだから、きっと豪華なものはお嫌いなのだろう。


わざわざ一般の県立高校に通われ、武術に長けているのだから。


他の良家の方々で、そのような生活を送られているのは、俺の知る中ではまだ菜月お嬢様だけだった。



藤原さんからお嬢様はのりたまが好きだと聞いていたので、俺は緑のふりかけも一緒に青い手提げに入れた。


その青い手提げを持ちながら、お嬢様を探すが屋敷にはいらっしゃらなかった。


外だろうか…

俺は菜月お嬢様をお呼びしながら、走った。


花園の休憩所に人影が見え、俺は一目散にそこへ向かった。


そこにはやっぱりお嬢様がいた。


お弁当が入った手提げを渡すと、お嬢様は少し照れた。


薔薇たちよりは紅くはないが、頬は淡い春の花の色に染まった。


可愛いお人だと思った。



お弁当、美味しいと喜んでもらえたら俺は心の底から嬉しいです、菜月お嬢様――……




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