天然執事はいかがです?
第10章 縁談当日
こうして私達の縁談話は無くなり、私は健くんと友達になった。
「彼女さんとお幸せに!!」
「うん。菜月ちゃんも頑張ってね!!それじゃ」
そう言って健くんは帰っていった。
「菜~月!!」
「何すんの母さん!!」
母さんは突然後ろから抱きついてきた。
「菜月の好きな人って誰~?」
ニヤニヤとしながら母さんは訊いてくる。
「なっ…!!い、言わない!!」
私は母さんから離れ、部屋に閉じ籠った。
菜月が居なくなり、父に母が寄り添った。
「お父さん…あの子のこと、ちゃんと見守りましょ……」
「…そうだな。あんなに反抗されたらな……」
父は少し寂しそうな顔をした。