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天然執事はいかがです?

第10章 縁談当日




「会社のためにも…って言われて……」

「私もそう言われた……」

「菜月ちゃんが婚約を嫌がるのは、好きな人が居るからでしょう?」

「へっ!?なんでわかんの!?」

「この前近所の公園でさっきの部屋にいた執事さんといたのを見たんだ」


見られてたのか…

「すごく幸せそうな顔してたよ」


まっすぐにそう言われたもんだから、私は恥ずかしくなった。


「とりあえず家戻ろう?
二人が婚約なんて嫌だって言えば分かってくれるかもしれないし!!」

「分かってくれるかな……」


不安気な顔をする健くんを引っ張り、私達は屋敷に戻った。





「父さん、母さん」

「僕たちは婚約しません」

「なっ…!!」

双方の両親が驚き、立ち上がる。


「何を言うんだ!!お前達は…!!」

「僕には彼女がいる!!」

健くんはお父さんの言葉を遮りそう言った。

「好きな人以外となんて僕は考えられない!!だから僕は婚約なんてしないッ!!!!」



「お前はどうなんだ、菜月」

冷たい目で父さんに睨まれるけどもう逃げない。

健くんはちゃんと言ったんだ。

だから私もちゃんと言うって決めた。


「父さん、母さん。
私は好きな人がいるの。
まだこの想いは伝えていないけど、だからって好きでもない人と婚約なんて絶対に嫌だッ!!!」



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