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天然執事はいかがです?

第11章 不安と準備




《へぇ!!健くんいい子じゃない!!》

舞弥に縁談の話が無くなったことを知らせると喜んでくれた。


「うん!!しかも彼女がいるんだよ!!」

《ガチ!?金持ちの親は彼女がいても勝手に縁談持ってくるのか…イヤだねぇ……

…で、それはそうとアルトさんにいつ告るの?》

ブーッ!!

私は思わず飲みかけていた紅茶を吹いた。


「ゲホッゴホッ………
いきなり何言うの!!」

《何って…早く告んなさいよ!!》

「分かってるよ!!分かってる、けど……」



そう簡単にこの気持ちを伝えることが出来ない…




だって相手はあのアルトさん。

手強いに決まってる。


仮に使用人と主人が関係を持つことは勿論御法度であり、これは暗黙のルール。


執事のアルトさんにこんな感情を抱く私は間違っているのかもしれない。


それでも私はただ純粋にアルトさんが好き。

だから素直に気持ちを伝えたい。




舞弥に早く告れと急かされ、母さんに好きな人は誰と聞かれ、悩み続け、早5日。



あれ…そういえばアルトさんっていつまで居るっけ?

三ヶ月の期間だったけど…まさかもう居ないとかないよね…?



授業中にふと思いどんどん悪い方に考えてしまう。

清掃が終わると、私は学校を飛び出し急いで家に帰った。


「アルトさん!!」


アルトさんの姿は玄関にはなかった。

居たのは爺やだった。

「おや、お帰りなさいませ。菜月お嬢様」

「ただいま、爺やッ」


私は自室に向かった。

急いで中を確かめるがアルトさんは居ない。

いつも私の目に入る範囲内に居るアルトさん。


まさか……でしょ?

私は急いで爺やの元へ走った。



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