天然執事はいかがです?
第14章 沢渡夫婦
雷雨が過ぎ去った次の日。
姉さんと夫の沢渡 望さんが家に来た。
「姉さん。久しぶり!!
望さんもお久しぶりです!!」
私は望さんが抱き抱える猫のノア♂を抱き上げた。
「ノアも久しぶり~♪」
顎を撫でるとゴロゴロと喉を鳴らし、甘えてくれる。
「久しぶり菜月。
あなたは相変わらずね?」
姉さんは口に手をやり、クスクスと笑った。
「菜月ちゃん、久しぶり。
また身長伸びた?」
「はい。少しだけ!」
私は望さんの隣に立ってみた。
望さんはすごく背が高いわけでもなく標準サイズ。
「ちぇ~また負けた……」
望さんと私の身長差はあとわずか。
「ハハッ。でも菜月ちゃんだったら1年もすれば俺の背抜いちゃうかもなー」
女みたいな顔で望さんは笑った。
望さんは女顔だし童顔で華奢だから、髪が長かったら女の子に間違われるかもしれない。
「父さん達にはもう挨拶したの?」
「ええ。勿論♪
明後日で菜月も17か~」
「俺が初めてあったときはまだ小6だったのになー…
今じゃ」
ポンッと頭に手を乗せられる。
「背丈も俺と変わんないもんな」
望さんは私を妹みたいに扱う。
本当の兄さんみたいだから私は姉さんと兄さんがいるみたいで嬉しい。
「そういえば、新しい専属執事がいるんでしょ?どんな子?」
姉さんが訊いてきた丁度そのとき、アルトさんが部屋に入ってきた。