天然執事はいかがです?
第14章 沢渡夫婦
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「あっ、お嬢!!」
「有也さん!!」
帰る途中に有也さんに引き留められた。
「ちょっと話があるんだけど……いいか?」
「うん……」
私達はコソコソと話始めた。
(話って?)
(いや…アルトのことなんだけどさ……
あいつが居なくなる日聞いたか?)
「…ッ!!聞いてないよッ!?」
(バカッ声が大きい!!)
(ごめんなさい…)
私はしょんぼりとした。
(だってアルトさんと約束したんだよッ!?
日にち決まったら教えてくれるって…!!)
(きっと菜月お嬢だから言えなかったんだよ…
そんなんだったら本人に聞いたらどうだ?)
(うん……
一応聞くけどさ、日にちは?…)
(19日)
(そんな……)
パーティーが終わってすぐじゃん…!!!
アルトさんの部屋から出てきたときのような晴れやかな気分は、もうどこにもなかった。
私は重い足取りで部屋に戻った。