天然執事はいかがです?
第15章 パーティー
学校が終わり、私は階段を猛スピードで降っていた。
「舞弥、俊くん早くッ!!」
あとからあたふたと舞弥と俊くんが追い駆けてくる。
「ちょ…待ってよ菜月!!」
「菜月先輩危ないですってッ」
今日は私の誕生日。
誕生パーティーがあるッ!!
アルトさんと踊れる…!!!
私は出来るだけ有也さんから聞いた話を忘れようとしていた。
学校の駐車場にはすでにその場に似つかない黒い屋敷の車が待っていた。
運転手は勿論アルトさん。
私たちは次々と車に乗り込んだ。
「ごめんなさいッ
少し遅れて…」
「そんなことございませんよ」
アルトは柔らかく微笑む。
舞弥と俊介は挨拶をした。
「お願いしま~す!!」
「お願いします」
舞弥の明るい挨拶に比べ、俊くんの挨拶は礼儀正しく、キチッとしていた。
「発車しますよ?」
「「「はーい」」」
ゆっくりと安全運転で屋敷まで私達を乗せた車は走る。
「着きましたよ」
「「ありがとうございました」」
アルトさんは車を車庫に入れに行った。
私達は一足先に屋敷に入った。
私と舞弥は南さんと友香さんに、俊くんは有也さんに各々ついていった。
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―――
「南さんキツイキツイ!!!」
「あれぇ?そうかな~?
お嬢様最近太っ」
「てないよッ!!
南さんが閉めすぎなの!!!」
南さんは張り切りすぎて背中の紐を名一杯締めている。
舞弥は友香さんがドレスを着せている。
横にスリットが入った大人っぽく体にフィットするドレスだから、私と違って苦しまなくて済む。
薔薇のように真っ赤なドレスがよく似合う。