天然執事はいかがです?
第15章 パーティー
「舞弥ちゃん、髪はどうする?セットする?」
「うーん…でもあんまり目立たない感じでお願いします♪
なんてったって今日の主役は……」
舞弥は視線を菜月へと向けた。
「菜月ですからね」
「そう?じゃあドレスに合う髪飾りとネックレス探してくるわ♪」
そう言って友香は様々なドレッサーの中を探している。
菜月はなんとか南からの拷問に近い着付けから逃げ切り、今度は髪をコテでセットしてもらっている。
「んもぅ…!!菜月ちゃんの髪の毛ったら相変わらず剛毛なんだからぁ」
「南さん仕事中!仕事中!!
しかもなんか煙出てるし焦げ臭いよッ!!?」
「ハッ!!いけない!!
ごめんなさいお嬢様♪」
夜、仕事が終わると私と使用人さん達はよく話してるから、度々皆敬語を忘れてしまう。
有也さんは初めから敬語を使う気なんて甚だない。
コテが終わり、今度は髪の編み込みを始めている。
「どうかしらッ♪」
髪のセットが終わったのか、南さんが手鏡を見せてくる。
「うわぁ……」
そこにはいつもとは違う私がいた。
剛毛な癖毛は、うち巻きにされ、前髪も自然に右に流れている。
カチューシャのような編み込みもさりげなく可愛い。
終わりにはパールとフリルであしらわれた水色のリボンが結ばれていた。
「可愛く出来たでしょ?♪」
「うん…!!南さん上手…!!」
「お褒めの言葉誠にありがとうございます♪お嬢様♪
じゃああとはチョーカーつけて、メイクね♪」
素早く用意していたリボンと同じようなチョーカーを身に付けさせてくれる。
ドレスにもよく似合っている。
「菜~月♪
うわっ菜月じゃないみたい!!」
髪のセットが終わった舞弥が私を見てそう言った。
「そう言う舞弥も別人だよー!!」
長い髪は巻かれ、華やかなバレッタで留められている。
項も見えている。
俊くんこりゃびっくりするだろーな…
私は舞弥を見ながら笑った。