
好きにさせてはいけない
第5章 会えない夏休み
結局2人は1時間ほど居座り
お店を出て行った。
夏休み、
せっかく久しぶりに会えたのに…
こんな気持ちになるなんて。
もう正直
自分の気持ちに嘘はつけないなと思っていた。
好きって思っても
これは恋愛としての好きではない、とかいちいち理由をつけていたけど…
今日初めてゆうさんのプライベート…というか、女の人と一緒にいるのを見て。
わたしは
” ゆうさんのことが本当に好き ”
と実感した。
どうして好きなのかは分からない。
何も知らない。
名前だって作り物で、全然違うかもしれない。
…わたしのように。
わたしたちはお互いを知らなさすぎる。
当たり前のことだけど
好きになるには早すぎた…。
どうして選りに選ってわたしは
”好きになってはいけない人”を
好きになってしまったのだろう。
