
好きにさせてはいけない
第7章 2つの気持ち
誕生日前日もゆいなちゃんバースデー前夜祭、とか言われてたくさんの人が来てくれた。
嬉しいな。
けど悲しいな。
だって彼は来なかった。
「愛、!!」
遠くから遼太がくる。
「迎えに来てくれてありがとう。」
「今日は俺の家きて。」
バイトの最寄り駅まで来てくれた遼太。
誰にも見られてないことを願って一緒に電車に乗る。
なんだか眠くなってきて
遼太の肩を借りる。
「遅くまでお疲れ様。」
そう言いながら遼太は頭をぽんぽん、と叩いてくれた。
この優しさが嬉しい。
わたしはこれだけでも十分幸せだ。
「遼太、幸せ。」
半分自分に言い聞かせてたのかもしれない。
「俺もだよ。」
そんなことを知らない遼太...
いつも罪悪感ばかりが残る。
遼太を安心させてあげなきゃ...
