
好きにさせてはいけない
第7章 2つの気持ち
遼太の家の前まで着くと
ちょっと待っててと言いながら先に家に入ってしまった。
するとすぐに出てきて...
パァンッ
「お誕生日、おめでとう。」
えっ...
クラッカーを持っている彼。
家の中は綺麗に装飾されていて...
何これ...! すごく嬉しい......
「ありがとう!!!!!」
時計はちょうど0時を指していて
きっと時間の計算をしながら家まで歩いていたとおもうと彼の愛情をすごく感じた。
「本当に嬉しい...ありがとう...」
「おい、泣くなよ!笑」
なんだか自然と涙が出てきてしまって
ごめんって言いながらわたしは彼に抱きつく。
幸せだ、わたし幸せなんだ。
このときばかりは、”あの人”のことを考えずに済んだ。
このままもう”あの人”に会わなければ
忘れられるかもしれないな...
「愛、こっちおいで。」
家の中に入るといつもの甘い声でわたしを呼ぶ彼。
深い深いキスをして
今日も愛を確かめ合って
わたしたちはいつの間にか眠りに落ちた。
