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甘い香りを私に。

第1章 その甘さ



その予感はまぁ的中した。



悠「口移しで食べさせてあげる。」

悠の顔はもういつもの優しい悠ではなくて。

少しだけ恐怖を感じた。


葵「……悠…ちゃん、、?」

パクッとチョコレートをかじり、悠は私に口を向けた。


私はすぐに欲しがった。


悠のキスを欲しがったのではない。


チョコレートが食べたかったのだ。


悠の愛が欲しがったのではない。


チョコレートの甘さを感じたかったのだ。


そんな心の言い訳も、そろそろ限界だった。

欲しい。欲しい。



理性をなくしかけ、本能へと心は動き出した。


夢中でその甘さを感じた。


ん、んん…ちゅ…ちゅる…ぁぁ…うう…



甘い。


もちろんチョコレートは甘かった。

何より私の大好きなラズベリーの香りはどんどん身体を酔わせた。


でもそれ以上にキスが最高に甘かった。

呼吸もままならないぐらい


興奮して涙が出た。


チョコレートが溶けてなくなってもお互いの口は離れなかった。


悠「…興奮した?どう…美味しい?」


悠は私の頬に顔を近づけ
零れた涙をペロりと舐めとった。


葵「………甘い。美味しい…。」


それは良かった、と言って更にチョコレートを加えて私に差し出した。



もういくらでも食べれそうだった。
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