飴と鞭と甘いワナ
第5章 scene Ⅴ
さすが…連続してイカされちゃ正直キツい。
立ちっ放しで好きにヤラれて足腰フラフラ。
バスルームの熱気に頭がクラクラ。
N「雅紀…」
反転させられた身体がニノの胸にギュッと抱かれて
N「大丈夫?」
大丈夫じゃない……ケド……何か もう……
俯いたら覗き込まれて。
もっと項垂れると顎先を持ち上げられチュッとキスされた。
「……ニノ」
N「…中入ろ」
大の男が二人、泡立つ湯船に浸かって湯を溢れさせてるシュールな絵面。
俺の真正面にニノ。
黙ったまんま、微動だにしない薄茶の瞳。
こんなゾクゾクする視姦プレイ…俺は知らない。
"目を閉じるな"
威圧的目力はまるで催眠術。
一方的に嬲(なぶ)られ、いたぶられて。
ニノにとって俺は何?
面白い玩具?飽きられンのはいつ?
泡立つ水流の中で爪先がぶつかる。
怖い 怖い 怖い。
ギュッと目を瞑って
「ニノ……俺…」
意を決して打とうとした先手はニノの指がピシャンと弾いた湯に牽制された。
N「雅紀……」
聞けない、聞きたくない。
N「俺、オマエのコト…」