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飴と鞭と甘いワナ

第5章 scene Ⅴ


俺の気持ち、いい加減気付いてよ

「人間」に全く執着のない俺が、初めて欲しいと思ったのも

傍にいて欲しいと思ったのも

後にも先にも



…雅紀、お前だけなんだよ



「…き、だ」

「え?」

「だからぁ!…す、……」


何で言えないんだよ!
喉に何かが詰まったように、声にならない


だけど

今言わないと、後はない


本当ならさ、女の子じゃないけど
…ちゃんとしたシチュエーションで言いたいけど

この方が俺達らしいかな


「にの…、どうしたの?」

雅紀が少しだけ首を傾げた



神様なんて信じてないけど
…今だけは縋らせて



神様
俺に勇気を、ください





「好きだ…」

「…へ?」
この期に及んでまさに「鳩が豆鉄砲くらいました」顔するとか

おかげで俺も変な力が抜けた


「…好きなんだよ、お前が

…そう言う意味で」


「ああ、そうなん……って、えええっ?!」

あっさり聞き流そうとして、意味理解するのが雅紀らしい

「いや、あの、…そんな気はしてたけど

って違くて、えーとあの……


…本当?」

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