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飴と鞭と甘いワナ

第11章 3匙め


それなのに

「無理して笑わなくていい」

そう言って、何故か俺の頭を撫でてきて


駄目だよ
今、優しくしないでよ

自分でも今、男のくせに何ウジウジしてんだよって凹んでるのに

…優しくされたら、縋りたくなっちゃうだろ


「…何か、話したかったんでしょ?」
“だから、電話くれたんだよね“

ああもう、何なんだよ
お願いだから優しくしないでよ


彼女さんの言う通りなんだよ

都合悪いって断られたのに、大野さんに住所なんて聞き出して
マンションまで行っちゃって、偶然とは言え電話も掛けた俺は

立派なストーカーまがいじゃないか


謝るのは俺の方なんだよ
相葉さんは何も悪くない


「男のくせに、こんな事して…
彼女さんも相葉さんも、気持ち悪かったよね…本当ごめん」

頭に置かれた手を振り切るように、頭を下げた

深く下げたら
…今度は頭を上げるタイミングを失ってしまって

そのうえ、下を向いた事で涙腺が弛んで

ギュッと目を瞑っていないと涙が零れそうになった

溜まらず鼻を啜ってしまって


「二宮さん…?」

…やだな
相葉さんに、変なとこ見られちゃった

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