テキストサイズ

飴と鞭と甘いワナ

第11章 3匙め


「大野さんから聞いた」
他に聞くルートなんか持ってない

「あの人、個人情報ガン無視だな」
答えた俺に、相葉さんが声を出して笑った

「でも」
「え?」


「二宮さんが来てくれて、マジで嬉しい」

その言葉に思わず顔が赤くなる

何これ
何で俺、こんなに恥ずかしくなってんの?


だけど相葉さんを見たら
…何故か相葉さんまで少し赤くなってて


何だろう
この変な気持ち

遠い昔に感じた事のある、……初恋?


は…初恋?!

いやいやいや
そんな訳ないだろ

相葉さんも俺も同じ男で、…お互い彼女もいるのに何考えてんだ


払うように頭を思い切り振ったら

「…何してんの?」
相葉さんが不思議そうに俺を見つめていて


「え、いや、何でもない」
慌てて咳払いをしてその場をごまかすけど
更に赤くなった顔は隠しようがない



「えと…そう言えば怪我はどうなんですか」

場の空気を変えたくて、今更だけどまだ聞いてなかったそれを思いだして話をすり替えた


「ああ、外傷だけだよ。足の骨折が一番の重症」
“暫くバイクには乗れなくなった“

相葉さんが固定された左足を見ながら苦笑した



ストーリーメニュー

TOPTOPへ