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飴と鞭と甘いワナ

第12章 4匙め



コレって明らかに勃つ兆しだろ?

何で?何に?

いやいやいやいや、まさか…二宮さんに?

こんなエロサプライズ…バレたら不味い。

咄嗟に

「泣くわけないだろ」

感づかれないように苦笑いしてその胸元から逃げた。

*

願えば叶うってホントらしい。

それが味気ない病院食を食うのと引き換えだとしても。

あの日から二宮さんはマメに病室に顔を見せてくれる。

それがホンの僅かな時間でも俺には掛け替えのない一時だった。

会社の上司をあげつらったり、受付の女子社員が高飛車だとか他愛ない話で盛り上がるのが楽しくて。

そのクセ二宮さんの顔をまともに見れない俺。

また下半身がヤバくなって、もしバレたら…そう思うだけで妙にビクついて変な作り笑いしてる俺。

彼も彼で俺の挙動を訝しんでる節があって。

何となく二人していつにも増して間が持たない。

そんな時、彼が手にした『星の王子さま』

"何でこんな本が?"
そんな顔するからツラツラと俺が過ごしてきた昔を掻い摘まんで話せば

「…ゴメン」

目を潤ませて項垂れるから、その頭をクシャと撫でた

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