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飴と鞭と甘いワナ

第12章 4匙め


……何やってんだよ
相葉さんに心配掛けた挙げ句に無理させて

あれこれ考えてたプランは、相葉さんの足を考慮してなくて
まだ、アルコールも駄目だと言うのもすっかり失念してて


「すいません!相葉さんがまだ松葉杖だって事抜けてました
…ここまでは電車?」

ようやく頭を下げて相葉さんに謝れば

「うん。バイクはまだ無理だしね
久しぶりに乗ったけど座れたから平気」
なんて笑ってくれて

その上 “たまには電車もいいね“ って気まで使ってくれて


だけどこに来てくれた時から
相葉さんは時々何か考えてるような、…辛そうな目をする事に気付いてた

ふとした瞬間に浮かべるその目は、何を考えてるんだろう

それは体がしんどいとか、そういうのとは違う感じで

……やっぱり来たくなかったのかな


なんか自分も凹んでるからかネガティブ思考になってる

…ってかさ
わざわざ相葉さん呼び出して、彼女と別れたなんて事を言う必要なんかあったのか?

友達かどうかすら微妙な相葉さんに、俺は何を聞かせたかった?


相葉さんなら、受け止めてくれる

心のどこかでそう思った俺は

やっぱり狡い


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