テキストサイズ

飴と鞭と甘いワナ

第13章 5匙め


今、さりげなくエラいコトを告られたような…単なる"気のせい"では片付けらんない気がする。

頭ン中はとっ散らかったままだけど、とにもかくにもこのままじゃ埒が明かない。

身体を何とか起こして。

さっき座ってた椅子の座面に肘を乗っけて寄っ掛かった。

「二宮さん?」

身の置き所がないって感じで顔を俯けてチマッとコンパクトなSサイズになってる二宮さんの肩を

「おい!!」

軽く揺さぶるその手は軽く払い退けられる。

めげずにしつこく何度も揺するとようやく少しだけ持ち上がった顔。

クシャクシャの前髪の隙間から見える潤んだ目が暫し俺をジーッと見て

「……セックスしてみたい」

何の前触れもなく唐突に直球爆弾投下。

ギョッと目を見開いてその口をパクパクする

"な…何言ってン…"

「……その身体を触って…一緒に風呂したい……服を脱がせて…キスをしたい……手を繋ぎたい…食事して……テレビをみたり…相葉さん家に入りたい………」

インプットされた言葉を繰り返す人形みたいな感情のない声。

瞬きすらしないその眼に肌がザワと粟立った。

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