飴と鞭と甘いワナ
第13章 5匙め
いつの間にか涙は引っ込んで、相葉さんの次の言葉をじっと待った
期待と不安が入り交じってるけど、これまでを思うと期待の方が上回るのは当然だと思う
多分、顔にそれが現れてたんだろう
…相葉さんがニコッと笑ってくれた
「俺も二宮さんも、独身だしさ」
「…うん」
「性別がどーの、ってなっちゃうとアレだけど
そこはお互い問題なさそうだし」
「そう、…かな」
相葉さんがウンウン頷いてる
「お互い惹かれてんのは、事実…でしょ?」
「……」
何だか気恥ずかしくて、目の前の相葉さんのシャツを握り締めた
まともに顔が見られなくて、そこに顔を埋める
「もう、チューもお互いからしちゃってるし、間違いないと思うんだけど」
「あの……」
顔から火が出そうだ
心臓だって、壊れるんじゃないかってくらい激しく脈打っている
ここまでドキドキしたの、初めてかもしれない
俺を抱き締める腕に更に力が籠る
「二宮さん、顔上げて」
とてもじゃないけど上げられない
小さく横に首を振って “無理“ の意思表示をしたけど
「上げてよ、…ここからが大事なんだから」