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第2章 【cast2】星司
「…すいません!」
俺は店長に頭を下げてビルを飛び出した。
外に出ると、朝の日差しが眩しい。
そしてすぐに真央の背中を見つける。
「真央っ!」
真央の肩がピクッと反応する。
だけど立ち止まってはくれない。
「…真央!!」
追い付いた真央の腕を掴み、振り向き様に抱きしめた。
「えっ」と、聞こえるか聞こえなかくらいの小さな声が、俺の胸の中に収まる。
俺は真央が逃げられないように強く強く抱きしめた。
「せ、いじくん…」
戸惑いがちの真央の声。
(…こっからどうしよう?)
体が全部心臓になったみたいだ。
すごくドキドキする。