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南月はワガママで、そのワガママを許される人間だった。


それから女の子の心を掴むのが異常に得意で、心底ホストに向いる奴だと思った。




南月はどんどん売上を伸ばしていった。


入店二ヶ月目であっという間にNo.2。

古くからのナンバー陣には脅威だったんだろうなと思う。


「No.2だってー。やったねー」


いつもの間延びした調子で南月が言う。


「全然感情こもってるように聞こえねーよ」


「こんなに喜んでるのに？」


(どこがだよ。掴みどころのない奴…)