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第3章 番外編*店長
南月にしつこく付きまとわれ、仕事終わりに仕方なく南月と二人でご飯を食べに行くことになった。
南月は相変わらず、俺にしかなつかない。
ほとんどのキャストと一線引いているように見えた。
二人でラーメン屋に入り、テーブル席に向かい合って座る。
「お前ちゃんと飯食ってんの?」
俺はふと聞いてみた。
南月は細い。
明るいところで、正面からちゃんと見ると改めて細いなと思った。
「食べてるよー」
南月がじっと俺の目を見る。
「同伴の日とかー、アフターの時とか」
「自炊しないの?」
「しなーい。俺、一人でご飯食べらんない。寂しいから」
「はぁ?」
「だから同伴の日とか、アフターの時とか、陽介くんと一緒の時しかご飯食べなーい」
「子供かよ」
「子供だよー」
言葉とは対照的に艶やかに笑う。
南月はタラシだ。男女問わず。
意図もなくまっすぐに相手を見つめる目も、人を選んでなつくところも、視線から指の仕草まで。
この男はきっと、思うがままに人の心を奪っていく。