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第3章 番外編*店長




そんなある日、バックルームで帰る準備をしていると南月が入ってきた。


南月はいつも通り飄々と俺に話しかける。


「陽介くーん、俺、店辞めるかも」


「えっ?」


「ずーっと一番で飽きちゃったし」


南月がフーッとタメ息をつきながら、わざとらしく遠い目をして言う。


「なんだよ、それ…」


「代表に言ったら止められそうだしー、まだ陽介くんにしか言ってないけど」



最初に相談してくれたんだ、なんて一瞬の喜びもすぐにしぼんでしまう。


「この仕事が嫌いなわけじゃないけど、なんかもっと面白いことが他にあるんじゃないかなーって」


確かに、南月がこの仕事に対して情熱を持っているようには感じられない。


でも、だからと言って辞めるなんて…。


 

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