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第3章 番外編*店長
宣言通り、南月は20分程で迎えに来た。
強引に連れ出され、気づけばカラオケにいた。
南月は飄々とはしているもののなぜだかいつもより無邪気で、子供みたいにソワソワしている。
「これ歌いたいなー。サビしか知らないけどー」
「いいよ、歌えば」
「うん!」
俺は歌う気分にもなれなくて、大人しく南月の歌を聴いていた。
(相変わらず上手いなー。こいつ欠点とかないのかな?)
「陽介くんつまんない?」
気づけば南月の歌は終わっていて、南月は不満そうに唇を尖らせて俺を見ていた。
「え?いや、別に…」
「楽しいことする?」
「え?」
そう言うと南月は、ソファに片膝を立ててゆっくり俺に近づく。
左手が俺の頬に触れて、少し上から南月の顔が降りてくる。