虞犯少年
第4章 汚くても愛のカタチ
いつも誰かに見られていたなんて全然、知らなくて。嵐の言われたことを忠実に守ってる誰かがあの教室に居るんだ。
怒りとかそんな感情じゃない。
早くここから逃げたい…
もう、言葉は出なかった。ひくひくと顔が引きつってまともに嵐の顔を見れない。
「本当は女とも喋らせたくねーけど、明日香は友達好きだからな。しょうがねー」
「……」
「その代わり男と喋んな。さっきみたいな場面見たら俺、相手を殺しそうになる」
ぐいっと顎を掴まれて見上げた瞳にうつったのは、狂気に満ち溢れてる彼。