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虞犯少年

第7章 残る意識




嵐の家は相変わらず大きくて、毎日と言ってもいいほど入りびたっているのに一度も嵐の家族と会ったことがなかった。


大きくて綺麗な家。なのに生活感がないな。それがお邪魔して感じたこの家の第一印象。


器用に鍵をあけて、玄関には嵐の脱ぎ捨てられた靴ばっか。ぺたぺたと歩き他の部屋には見向きもせず階段を上る。



「早く来い」



脱いだ靴を揃えてその背中を追った。繋がれた手は力強く、そんなに握らなくたって私は逃げないのに。ていうか、逃げられないし。


いつも決まって嵐はすぐに自分の部屋に私を連れ込む。分からないけど嵐は私を他の部屋には行かせたくないみたい。だから私は嵐の部屋とトイレとお風呂場しか知らない。隣の部屋がなんなのか、リビングはどうなっているのか、見たことがないから知らない。この家は謎が多い。



「っ―ん」



部屋に入った瞬間唇を塞がれた。すぐに舌が入ってきて味わうように絡ませる。嵐はこういう官能的なキスしかしない。本当に食べられちゃうんじゃないかって思うキスばっかしてくる。


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