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BOXルーム

第3章 急展開……

「気をつけろ!! 慎重に……何が起こるかわからないから……」


 そう言って唾をゴクリと飲み、桃太郎は下里を見守る。


「あ……開けますよ」


 下里の手がドアノブにかけられた。


 ゆっくりと回すと『チャッ』と、音がする。


 そして、扉を引いてみた。


「……」


「……」


 シーンと静まり返る空気の中、扉の向こうには1メートル半四方の白い壁に囲まれ、洋式のトイレが現れた。


「ト……トイレが出ましたよ」


 下里が中を覗き込む。壁にピンク色のダブルのトイレットペーパーに花柄のタオル。ブルーのタイル張りの床に消臭スプレー、真っ白な便器にはビデもウォシュレットも取り付けてある。


「何も怪しいもんは無いですねぇ……普通にトイレですよ」


 下里は念入りに中を確かめる。電気と換気扇のスイッチも壁にある。


「ちょっと、ゲリベン!! わかったから早く出てよ!!」と、るかが腕を引っ張って無理矢理にトイレから出した。すると、るかはトイレに入り鍵をかける。



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