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第4章 脱出

『はいは〜い、なにかな〜?』と、純化が出た。


「サクッとしたカツ定食だ!! トンカツ、海老カツ、ミンチカツを頼む!!」


 桃太郎は左手の握りこぶしに力を込める。


 すると、純化の口から思いがけない言葉が……


『正解です!! そう私の好きなのはカツで〜す!!』



「はぁ?」と、桃太郎は呆気にとられる。


『文章の語尾の、一文字を縦から読むとカツが好きとなります。だから、正解はカツ!!』


「えっ!? ちょっと待てって……最初の一文字を縦に読むとシュウマイになるぞ!!」


 桃太郎がそう指摘すると、しばらく沈黙が続いた。


『……あら、ホントだ。でもこれは私のミスだわ……この問題はノーカウントにするわ。よって、脱出ヒント無し!!』


「待ておい!! ヒント無しかよ!! お前のミスならヒントくらいサービスしろよ!!」


『これは、問題にならなかった。次の問題を……』


「問題はいらないからカツの注文受けろ!!」


『残念ながら、メニューにカツは無いの。コロッケにしてねぇ〜』


「コロッケでも、なんでもいいから持ってこい!!」


 桃太郎は顔を真っ赤にして受話器を叩き付けた。



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