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BOXルーム

第4章 脱出

「やっぱり間違いない。壁にカメラが内蔵されているんだ!! きっと隣にもあるぜ!!」


 二人は破片を避けながら中に入ってきた。


「すげえ!! よく見つけましたねぇ」と、下里が尊敬の眼差しで桃太郎を見る。


「まだ何かありそうだけどな……」


 桃太郎はそう言って全体を見た。


「じゃあ、後はどこから出入り出来たかだよね、その謎も絶対ある」と、言ってすぐ、るかは辺りを見廻すと、一つ不自然な所に気が付いた。


「……ん?」


 扉付近の隅の三角コーナーあたり、絨毯が少し浮いていたのだ。


 咄嗟に破片の落ちていない隣部屋に移動し、絨毯を注意深く見る。


 トイレの扉の右隅の角に、やや浮き上がっているのが見える。るかは、思いきってその隅をめくってみた。


 だが、何かに固定されているのか、めくれない。


 るかは、全身で引っ張りあげた。



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