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第1章 SO~小人×一般人~進撃の小人編~
俺を見つめる翔の顔は、少し憂いを帯びている。
眉をハの字にして少し困った顔を見せたかと思ったのに、今は少し細めた目がとろんとしている様に感じた。
翔「そんなすぐ帰るとか言わないでよ...」
智「...明日から仕事でしょ? もう遅いし、さ」
小さくてもちゃんと顔は見えていたけど、大きくなった翔は更にはっきりと見えて。
智「ソレも...、なんとかしなきゃ(笑) 俺帰るから、彼女でも呼んだら?」
彼女くらい居るだろうし。
俺のヘンな配合のせいで翔の身体は熱くなってるんだ。
翔「居ないよそんなの」
智「んな訳無いでしょ。気、遣わなくていいのに(笑)」
居ない訳無いだろう。
こうやって見てみると、翔はなかなかのイケメンだ。
この間フラれたばかりだと話した俺の事を気にしてくれているのか。
翔「本当だよ。俺、おかしいみたいなんだ」
智「おかしい?」
翔「女性に興味が湧かないんだよ」
また眉をハの字にさせる。
その翔の顔は、嘘をついている様には見えなかった。
智「え...。恋愛に興味が無いって事?」
翔「たぶん、そう」
智「へえ...」
勿体ない。
翔ならいくらでもモテるだろうに。
翔「って思ってたんだけど、さ」
智「うん?」
翔「...世の中には、ゲイの人達も居るじゃない?」
智「うん」
翔「まさか俺もそうなのかなって、真剣に悩んだ事があったんだけど」
智「う、うん」
翔「まあ、特に男にも興味が湧くという事も無くて。その時は」
智「あ、そっか」
びっくりした。
カミングアウトされるのかと思ったじゃねえか。
翔「智くんは、そう言うのどう思う? 男同志の恋愛って...」
智「ああ、まあ、いいんじゃないの? 一途に好きでいれば問題無いと思うけど」
翔「そうなの...?」
智「性別なんて関係無いと思うよ? 浮気するより全然いいでしょ...(笑)」
翔「そうなんだ...」
そりゃそうだろう。
そんな偏見なんてない。
相手をちゃんと好きで、大事に思ってればそれでいいと思うんだ。
智「ふふ、急になんなの翔くん」
翔「ちょっと聞いてみたくて」
智「それより隠しなよ(笑)」
小さい時は見られるのをあんなに恥ずかしがってたのに。
硬くて熱いそれを、翔は隠しもせずに俺を見つめた。
