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じんちょうげの花咲く頃

第6章 エピローグ ①



「あ、ごめんもう行かなきゃ。」


め「うん。」



窓を開けたまま静かに走り出したタクシーから手を振った。



二人の姿が見えなくなるまで手を振り続けた。



次に会えるのは、お正月。



毎月のようにある三連休にはバイトが入ってるから帰省は難しい。



めぐむちゃんも年末年始は東京に帰る。



叔母さんの実家にも顔を出さないとならない。



時々、叔母さんがおばあちゃんの様子を見に行ってくれてるけどお客さん扱いされてしまうらしい。



近所の人たちとよろしくやってるから、心配無用、と。



でも、お葬式には必ず顔は出しなさいといつも言われてる。



縁起でもない、と、怒るとおばあちゃんはごめんごめんと豪快に笑い飛ばした。





そんなおばあちゃんも、 大学の卒業式の一月前、





眠るように息を引き取った。





葬式当日、



東京から色んな人が駆けつけてくれた。



二人の叔父さん、二宮さん、叔母さんとそのお兄さんの雅紀さんにお二人のお母さんにしてめぐむちゃんの母方のお祖母さん。



相葉のお祖父さんは体調が優れず、参列出来ない代わりに立派なお悔やみ電報を寄せてくれた。


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