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じんちょうげの花咲く頃

第4章 新しい季節へ…



「叔父さんっ!!」



居間には、対峙する叔父さんと叔母さん、



側には、睨み合ったまま口も開こうとしない二人を不安そうに見つめるめぐむちゃんがいた。



「何やね?こんな朝っぱらから?あら、みんなお揃いでどうしたん?」



なんの騒ぎかとおばあちゃんまでが顔を出す。



「だから、電話でもあれほど言っただろ?そっとしておけ、って?」


「何言ってるの?本人のことを考えたら後々よくない、って言ったでしょ?」


「二人ともまだ子供じゃないか!?そんな時から家のことを考えろ、って言っても無理な話だろが!!」


「ほんの子供、ですって?」



途端に、声を潜める叔母さん。



「本人たちの前で言うのも何だけど、あなたの言う子供のうちに生涯の相手が見つかるかもしれないじゃない?」



え…?



思わず顔を見合わせる僕とめぐむちゃん。



「だ…だからといって、こちらの事情を押しつけてもよくないだろが!!」


「ちょっと!あんたたち、本人たちの前で何の話しとんの!」



見かねたおばあちゃんが二人の間に割って入った。



「娘が傷つくのを黙ってみてろ、って言いたいの?あなた、娘が可愛くないの?」


「だから、そうは言ってないだろ?」


「パパもママももうやめて!!私だったら大丈夫だから!!」



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