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じんちょうげの花咲く頃

第4章 新しい季節へ…



「そこで俺は考えた。」


え?まだ、続きがあったの?(←笑)



「俺には娘がいる。しかも、子供は一人だけ。」


「あの…それ、ってまさか…」


「お前をめぐむの婿養子にする、って案。」



我ながら妙案だと思ったんだけどな?と、叔父さんは苦笑する。



「お前のお父さんに俺の考えを話したら、俺らしい、って呆れてた。」


「僕も…思います。」


「お前も思うか?」



ちら、と腕時計を見て、そろそろかな?と一人ごちるとまた、壁に凭れた。



「でもさ、ちょっとはこんなバカな考えに乗っかってみようとかは…」


「…残念ながら。」


「そっか…」



突然体を起こし、叔父さんはスマホを耳にあてた。



「はい?は?な、何でお前まで…ち、ちょっと、待っ…!」



スマホを目の前に置き、叔父さんは頭を抱えた。



「どうしたんですか?」


「零、ごめん。実は…」




「だって、二宮から翔が血相変えて飛び出してった、て聞いたから…」



と、東京から僕のもう一人の叔父が、



長年、叔父さんの秘書をしている二宮という人と一緒に車で駆けつけた。



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