じんちょうげの花咲く頃
第4章 新しい季節へ…
うるせ、と、ぶつぶつ言いながらも、
二人の叔父さんはいそいそと箸をにぎり、味噌汁を飲んだ。
「あー、うんめぇ…」
「ふふっ。パパ、ったらほんと、オジサンみたい…」
後から入ってきためぐむちゃんが、僕と二宮さんの分の朝食を運んできてくれた。
「すみません、私まで…」
二宮さんは、ペコペコ頭を下げながら遠慮がちに箸を進めた。
「なあ、二宮も思っただろ?一段と似てきたな?って?」
「…びっくりしました。」
二宮さんまで箸を一旦止め、僕の顔にしばらく見入っていた。
「…でも、性格は全然違うから。」
「なるほど。それは良かったです。」
「ちょっと、大の大人の男が大勢で一人の男の子を相手に何やってるの?」
困ってるでしょ?と、
叔母さんは二人の叔父さんの目の前にお茶を置いた。
「だって…なあ?」
「まるで、生き写しだもんな?」
「そんな…似てます?」
「声まで…?」
潤叔父さんと二宮さんが目を見開く。
「翔、もう、本人がいてもいなくてもいーんじゃない?」
「むしろ、ご本人よりも息子さんの方が…」
「ばっ!!ばか!!な、何変なこと言ってんだ!?」
叔父さんは慌ててお茶を飲むも、噎せて叔母さんに背中を擦ってもらっていた。
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