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じんちょうげの花咲く頃

第4章 新しい季節へ…



「もう!何やってるの?皆さんもからかわないでください。」


「だって…なあ?」


「なかなか面白い反応しますしね?」



潤叔父さんと二宮さんが顔を見合せ笑う。



「ねぇ、ママ。パパ、どうしちゃったの?」


「さぁ…本人に聞いてみたら?」



未だ顔を真っ赤にして焦りまくっている叔父さんの側で、叔母さんは平然とお茶を飲んだ。



「あっ…あの…」



意味深に笑う潤叔父さんが僕の肩にポンと手を置いき、



「お前のお父さんはこの人にスゴ〜く愛されてる、ってことだよ?」


「は、はあ…」



な?と、二宮さんに目配せした。



よく意味がわからなくて辺りを見回すと、やっぱり怪訝な顔で首を傾げるめぐむちゃんと目が合った。






翔叔父さんは、午後からの仕事に間に合わせるため、二宮さんとともに一足早く東京へ。



潤叔父さん、叔母さん、めぐむちゃんの三人は、午後の飛行機で帰るということで、お婆ちゃんを交えて居間でお茶を飲んでいた。



僕は、母屋で和やかに談笑するみんなの声を聞きながら、離れの自室で学校へ行く準備をしていた。



そして、母屋に声をかけようと離れの玄関を出ると、



めぐむちゃんが母屋の前で行ったり来たりしていた。


「少し話したいんだけど、いい?」



僕の姿を見つけると、めぐむちゃんは嬉しそうに駆け寄ってきた。



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