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じんちょうげの花咲く頃

第6章 エピローグ ①



翔「あーもーいってぇなぁ…」



頭の上にできたたん瘤を擦りながら叔父さんは顔をしかめた。



智「俺がいないことをいいことに零に余計なことを吹き込むからだ。」


翔「事実じゃん?」



ホントに乱暴なんだから!、と叔父さんは叔母さんから渡された氷嚢を頭の上に乗せた。



智「言っていいことと悪いことがあんだろが?」


「父さんごめんなさい。僕がなんでもいいから父さんのこと教えて、って、叔父さんに言ったんだ。」


智「そうなのか?」


「だから叔父さんを責めないで?」


翔「零っ!!お前は何て優しい子なんだっ!!」



僕に抱き付き、頭を撫でる叔父さんを、父さんが後ろから蹴りとばす。



智「このバカたれ!!どさくさに紛れて零に抱き付くな!!」


潤「もういいじゃない?そのぐらいにしてやったら?」


和「そうですよ?あなたの尻拭いをしてくれたのはこの方ですからね?」



それをお忘れなく?と、


潤さんだけでなく二宮さんにまで叔父さんの援護射撃を受け父さんは黙り込んでしまった。



しばらくして、辺りを見回したり頭を掻いたりして居心地が悪そうな素振りを見せると、



何も言わずに居間から出ていってしまった。



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