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続・あなたの色に染められて

第10章 マタニティ・ライフ


♡January♡

『明けましておめでとうございます。』

『おめでとう…って、もう大丈夫なの?』

『う~ん…大丈夫だけど大丈夫じゃない感じ?』

幸せのタネを宿したキミは年明けに職場に復帰した。

『どっちだよ。』

『ウフフ…』

不思議なものでキミが事務所に表れると殺風景なこの場所に柔らかな風が吹く。

『まだ休んでて良かったのに。』

『風間くん一人じゃ心配なんです。』

『はぁ?別に俺一人で回せますけど。』

いつものように微笑むけど、顔色を見るとまだ体調が万全ではない様子

だけど…

~♪~♪

『璃子ちゃん、電話~』

『ハーイ!』

海外のお得意様と同様 いまだに恋心を抱くボクは

『おい 走るな走るな!』

『もしもし…This is Riko speaking. Happy new year!』

キミを首を長くして待っていた。

**

『…新しい年を迎えるに当たりまして社長より新年のお言葉を…』

始業時間になり本蔵で社員一同が集まって社長のお義父さんから新年の挨拶をうかがっていると

…ふぅ

寒さからなのか立ちっぱなしだからなのか体がフラフラとしてくる。

小さく深呼吸をしてなんとか体調を整えようとするけど

…ふぅ

幸せの代償は時も場所も選んではくれなかった。

『大丈夫?』

そんな私の様子をあの気が利く風間くんが見逃すはずはなかった。

『璃子ちゃん…後ろ行こう?』

周りの人に聞こえないように小さな声で促してくれた。

『ありがとう…でも大丈夫だから。』

なんとか笑顔を作って視線を反らすけど

『顔真っ青だよ?無理しちゃダメだって。』

『平気だから。』

本当はその言葉に甘えたいけど さすがに社長が挨拶をしてる最中に席を外すわけにはいかない。

気合いを入れ直すように背筋をピンと伸ばし

…ふぅ

息を整えると

…トン

この香り…この感触…

さっきまでお義父さんの横に凛々しく立っていたのに

『俺に寄っ掛かってろ。』

今京介さんは私の真横に立ち、崩れ落ちないように腰を抱いてくれていた。

『ありがとう…』

『無理すんなって言ったろ?』

真っ正面を向きながら小さな声で私を叱る彼

パパは優しいね…

『ん?何か言った?』

『ううん…何にも…』

ねぇ ベビちゃん…

もう少しだけパパを独り占めさせてね

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