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続・あなたの色に染められて

第14章 言葉 ~番外編~


『もしもし…おはようございます…』

今朝 布団から出た璃子が一番始めにしたことはお袋への電話だった。

俺は寝ぼけ眼で璃子の腰に手を回し膝を枕に甘えていると

『はぁ。』

璃子は盛大な溜め息をつきながら電話を切った。

『あいつらダメだったって?』

『逆です。私たちのことなんかすっかり忘れてるみたい。』

コイツは昨晩もスマホを気にしながら眠りについた。それこそ、愛を確かめあってるときだって枕元にスマホをおいといたぐらい

『なんか寂しいな…』

俺の髪を撫でながら小さく呟く。

『いいんじゃねぇの?親思いの子供たちってことで。』

そうだよな。昨晩もスマホが鳴ってたらあんなに乱れ狂うことはなかった。

『おまえの躾がいいんだな。』

俺は浴衣の裾から璃子の柔肌を撫でる。

『ちょっと!ダメですよ!』

そんな風に怒られたって

『いいから朝風呂入ろうぜ。』

俺は耳を貸さずに璃子の浴衣の帯を解いた。

*

『気持ちいいな。』

朝日に照らされたお湯はキラキラと輝いていた。

『…んぁ…』

京介さんが大人しく入るわけないとは思っていたけど

『フッ、おまえはお湯もココも気持ちいいんだな。』

京介さんの指に溺れる私はお湯を跳ねさせていた。

『…イャッ…』

隣のお部屋は離れているとはいえ鳥のさえずりが響くほどの静かな朝

『もっと腰沈めろって。』

『…アァッ…』

私はあなたの言うがままに腰を落として身を捩る。

『そう上手。』

いつだってあなたは私を喜ばそうとあらゆるデータを駆使して高みにつれていく。

だからあなたに身を任せていれば言葉なんて要らないと思っていた。

『ここ?それとも…こっち?』

『う…アンっ…』

『こっちか。』

でも 言葉にしないと伝わらないこともある。

だから私は昨日から何度も同じ台詞をあなたに紡ぐ。

『…愛してます…』

『知ってる。』

そうすればあなたは私に極上のキスをくれるから。

*

見慣れた山に赤い夕陽が落ちていく。

『パパー!ママー!』

子供たちを両手で抱き上げるあなたに私は目を細めた。

『いい子にしてたか?』

『してたー!』

たった一日なのにね

でも、私にはとても大切な一日だった。

『ママただいまー!』

『お帰りでしょ?』

あなたをもっと愛したいと思った一日でした。

♡END♡
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