続・あなたの色に染められて
第10章 マタニティ・ライフ
♡May♡
…ふうぅ…ふうぅ…
『また腹張ってんの?』
『う~ん…ちょっとね。』
外国人向けの見学会を初めて三年。
『Please come and spend time here again.』
『ありがとうございました!』
今年は去年にも増してたくさんの方が酒蔵の見学会に足を運んでくれていた。
『あぁ…終わったぁ。』
お手伝いをしてくれてる京介さんと中庭までお客さまを見送り 一息着く頃には妊娠7ヶ月のお腹はパンパンに張ってしまう。
『ほら そこのベンチに少し座ってろ。』
制服も入らなくなった私のお腹は確実に毎日成長していて
『ふぅ…』
ここ最近は日常生活を送るだけでもお腹が張るようになっていた。
『あんま無理すんなよ?』
昨日 お誕生日を迎えた京介さんとベンチに並んで座り爽やかな5月の風を感じると
『…あっ。』
『ん?』
『スゴいお腹蹴ってる。』
『どれどれ…ハハッ、すげぇ元気だな。』
突き出したお腹のなかで元気よく赤ちゃんは動き回る。
『やっぱ男かな?』
『お転婆な女の子かもよ?』
二人で愛情をたっぷり込めてまた見ぬ天使を撫でる幸せな午後のひととき
『あっ、また蹴った!』
こんな感じで平凡すぎる日常を送る私たちだけど
『部長~』
ここは職場、お邪魔虫はたくさんいるもので
『ハッピ全部畳み終わりましたっ!』
登場するのは今月入社したばかりの桜井さん。通称サクラちゃん。
『サンキュ。じゃ、事務所で明日の打ち合わせでもするか。』
『はーい。』
この彼女は私が産休の間に穴を埋めてくれる契約社員の女の子。
栗色の髪に緑色した瞳を持つ この地には珍しくないお父さんがアメリカ人だというがハーフという期待の星だったんだけど
『あっ!風間センパイ!どこ行ってたんですか?』
入社してまだ一ヶ月もたっていないのに人懐っこいというか…
『ネクタイ曲がってますよ?』
気が利くというか…
『ハイOKです!』
お国柄なのか…
面接をした竜介お兄さんの話によると あんなキャラじゃなかったのにと苦笑い
でも…
『璃子さん これどうぞ。』
『ありがと。』
『では…明日はいよいよ桜井さんのデビュー戦ですが…』
人気も疎らな肌寒い事務所のなか、そっと膝掛けを手渡してくれる憎めない女の子だった。
…ふうぅ…ふうぅ…
『また腹張ってんの?』
『う~ん…ちょっとね。』
外国人向けの見学会を初めて三年。
『Please come and spend time here again.』
『ありがとうございました!』
今年は去年にも増してたくさんの方が酒蔵の見学会に足を運んでくれていた。
『あぁ…終わったぁ。』
お手伝いをしてくれてる京介さんと中庭までお客さまを見送り 一息着く頃には妊娠7ヶ月のお腹はパンパンに張ってしまう。
『ほら そこのベンチに少し座ってろ。』
制服も入らなくなった私のお腹は確実に毎日成長していて
『ふぅ…』
ここ最近は日常生活を送るだけでもお腹が張るようになっていた。
『あんま無理すんなよ?』
昨日 お誕生日を迎えた京介さんとベンチに並んで座り爽やかな5月の風を感じると
『…あっ。』
『ん?』
『スゴいお腹蹴ってる。』
『どれどれ…ハハッ、すげぇ元気だな。』
突き出したお腹のなかで元気よく赤ちゃんは動き回る。
『やっぱ男かな?』
『お転婆な女の子かもよ?』
二人で愛情をたっぷり込めてまた見ぬ天使を撫でる幸せな午後のひととき
『あっ、また蹴った!』
こんな感じで平凡すぎる日常を送る私たちだけど
『部長~』
ここは職場、お邪魔虫はたくさんいるもので
『ハッピ全部畳み終わりましたっ!』
登場するのは今月入社したばかりの桜井さん。通称サクラちゃん。
『サンキュ。じゃ、事務所で明日の打ち合わせでもするか。』
『はーい。』
この彼女は私が産休の間に穴を埋めてくれる契約社員の女の子。
栗色の髪に緑色した瞳を持つ この地には珍しくないお父さんがアメリカ人だというがハーフという期待の星だったんだけど
『あっ!風間センパイ!どこ行ってたんですか?』
入社してまだ一ヶ月もたっていないのに人懐っこいというか…
『ネクタイ曲がってますよ?』
気が利くというか…
『ハイOKです!』
お国柄なのか…
面接をした竜介お兄さんの話によると あんなキャラじゃなかったのにと苦笑い
でも…
『璃子さん これどうぞ。』
『ありがと。』
『では…明日はいよいよ桜井さんのデビュー戦ですが…』
人気も疎らな肌寒い事務所のなか、そっと膝掛けを手渡してくれる憎めない女の子だった。